富より名誉を、お金より神様の恵みを

聖書には知恵書と呼ばれる「箴言」という書があります。この箴言22章には、次のような箇所があります。「名声は多くの富よりも望ましい。愛顧は銀や金にまさる」(箴言22:1)。「名声」という単語は、ヘブル語で“セム”で、“名前”という意味です。 辞書で調べると、「名声」は“名高い評判、良い評判、ほまれ”と説明されています。 総合すると、上の箇所の前半部は“多くの富より尊敬と称賛を受ける名前を選びなさい”という意味です。言い換えると、“多くの富を得て、尊敬と称賛を受ける名前を失ってはならない”という意味です。つまり、“多くの富”と“名声”の中で一つを選ぶなら、神様は何を選びなさいと言っておられるのですか。多くの富より“名声”を選びなさいと語っておられるのです。簡単に言うと、お金より「名声」を選びなさいということです。

 皆さんには名前があります。母親の胎内で、そして、生まれてから、それぞれに与えられた名前で呼ばれながら生きていきます。名前は私を表す固有名詞であり、他の人と区別する名称です。まずは皆さんの名前が、名誉高い名前、人々から尊敬と称賛を受ける名前になりますよう祝福いたします。また、イエス様を信じる人には自分の名前のほかにもう一つの名前があります。「クリスチャン」という名前です。これを適用すると、神様はこの箴言の御言葉を通してこのように語っておられるのです。“お金ではなく、わたしがあなたに与えた栄誉ある名前を選びなさい”、“お金のせいでクリスチャンとしての高貴さを失い、イエス様を信じる人としての名誉が失墜するなら、その時はお金ではなく信仰を守りなさい。”つまり、“クリスチャンらしく生きなさい”ということです。

 では後半部の「愛顧は銀や金にまさる」は、何を語っているのでしょうか。「愛顧」という単語はあまり見慣れないかもしれませんが、「愛顧」を文字通りに解釈すると、“愛して顧みる”という意味です。つまり、誰かから愛され、顧みられることを意味します。「愛顧」と翻訳された単語は“ヘン”というヘブル語で、“恵み、恩寵、好意”という意味があります。つまり、“銀や金”と“神様の愛と恵み”の中から一つを選ばなければならないなら、“神の愛と恵み”を選びなさいという御言葉です。

 信仰が強い人でも、目の前にある多くの富を拒んで名誉を選ぶのは簡単ではないはずです。だから私たちは普段から敬虔を維持し、主の御前で富よりもクリスチャンとしての名誉を選ぶ練習が必要です。多くの富の誘惑を振り払うためには、小さなことから始めなければなりません。名誉や良い評判は、10円、20円でも失墜することがあることを忘れず、小さな金額から正直にならなければなりません。富よりもクリスチャンとしての名誉を、銀や金よりも私たちの主イエス・キリストの愛と恵みを選ぶ皆さんになられますようお祈りします。今から練習していきましょう。愛します。